イムス板橋リハビリテーション病院 理学療法BLOG

東京都板橋区のイムス板橋リハビリテーション病院 理学療法部門の活動報告BLOGです。勉強会や学会参加報告など当院の理学療法部門の魅力をお伝えできればと思います。気になった方はこちらのHPにもアクセスしてみてください。 HP: http://itareha-pt.jimdo.com/ 休日勉強会グループItareha Study GroupのTwitterものぞいてみてください。Twitter : https://twitter.com/ItarehaStudy?lang=ja

動作・行動 SIG

本日も動作・行動SIGは活動しました。実技を中心におこなってきましたが、今日は講義です。内容は「Frailty」です。

 

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今日の講師は3年目の小栢(おがや)です。彼は地域貢献委員会が主催する板橋区の住民を対象とした「出前体操教室」などもおこなっています。行動変容、予防理学療法などを得意分野とし、昨年札幌で開催された第1回 日本予防理学療法学会において「精神疾患患者に対する活動量計を用いた理学療法介入」を発表しています。

 

Frailtyとは、衰弱、筋力低下、活動性低下、認知機能低下、精神活動低下など健康障害を起こしやすい脆弱な状態のことを指します。こういう状態に陥らないよう、定期的な運動が必要です。また、その運動の量や質が大切であるということを再認識しました。私たちは「自立」を目指すだけでなく、「自律」を目指す必要があるのです。そしてそのためには、運動の効果判定をするための適切な評価が重要ですね。

 

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Frailtyとは何か、みんな少しずつですが理解をしていたようです。講義後も積極的に質問が出ていたので、聞いていた自分も満足です。楽しかったです。

 

次回も小栢が「行動変容」に関して講義をします。その前に、足部の触診があったでしょうか。自分の「立位姿勢の制御機構」もあります。また、こちらで報告できればと思います。

 

石井達也

8月24日 新人症例報告会

みなさんこんにちは。広報担当の小栢です。

「小栢」で「おがや」と読みます。今後とも宜しくお願いします。

 

 

報告が遅くなりましが、以前にも少しお知らせしていたように、8月24日に新人の症例報告会が実施されました。

 

PT部門では、水曜日に隔週で症例報告会をおこなっています。

先輩や後輩などの症例報告を聞き、質疑応答もできるので、いつも有意義なディスカッションができています。(ここでは部門責任者の石井さんから、鋭い質問が出されます。私は毎回、それを聞くのを楽しみにしています。笑)

 

 

今回の症例報告会では、私がプリセプターを務めている新人の発表もおこないました。

そんな今回の新人さんの症例報告会の内容を少し報告させて頂きます。

プリセプター制度とは、プリセプター(先輩)がプリセプティ(新人)をマンツーマンで教育・指導することをいいます。プリセプターには、おお むね3年目くらいの者がなることが多いです。新人に、理学療法士としての介入的なアドバイスだけでなく、関連業務等についても教育します。1年間かけて、プリセプティはプリセプターから理学療法士としての仕事(業務)を教わることになります。

 

 

発表のタイトルは

「インソールを処方し再調整が必要となった症例~インソール処方後の二次障害に対して~」

というものです。

 

インソールを処方したものの、経過の中で魚の目による疼痛を認め活動制限が生じた症例に対し、体重心や全身的なアライメントに着目し、インソールの再調整を行った報告でした。

 

 

インソールは主に、身体各部位に生じているメカニカルストレスを軽減する目的で用いるものとされています。

その処方には足部のみではなく、歩行動作などにおいて全身的なアライメントに注目して細かい評価が必要となります。

 

今回は新人さんということもあり、評価にはかなり苦戦していました。

私自身も、しっかり指導していれば、、、

と、反省しなくてはいけないところです。

 

 

 

インソールに関していえば、当院では、PTのホームページでも本当に小さくしか記載されていませんが、今後インソール外来を開設する予定です。

 

 

ぜひ、興味がありましたらご連絡を頂ければと思います。

動作・行動 SIG

どうも、部門責任者のほうです。

私は動作・行動のSIGリーダーをしています。本日は足部の触診をおこないました。といっても触診に関しては後輩に指導者を任せているので見ているだけですw はじめはランドマークを各自で確認し、その後、靭帯を中心に触診を進めます。

 

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はい…まるで熱海駅前の足湯状態です…。

 

指導をしているのは5年目の田中です。彼女は1年目の頃から整形外科リハビリテーション学会に所属し、定例会や全国研修会に積極的に参加して触診を勉強しています。なので彼女の成長、そしてその技術を後輩に伝えるため触診担当をしています。教育とは「Learning by Teaching」です。

 

足部に限ったことではありませんが、触診はできるようになったら終わりではありません。疼痛を誘発する原因は何か、臥位から荷重位になった際にアライメントはどう変化するのかなど、臨床所見とマッチングさせることが大切です。触ることに意義があるのではなく、問題を抽出するための一手段と捉えるべきだと思っています。

 

本日の参加人数は普段と比べて少なかったのですが、参加者は有意義な時間を過ごせたのではないでしょうか。9月は動作・行動チームのSIG月間かと言わんばかりに勉強会が入ってきそうです。広報担当の小栢(おがや)もFrailtyに関する講義をしてくれます。

 

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次回は下腿・足部の筋の触診です。田中にはまだまだがんばってもらいます!

デュシャンヌ徴候・トレンデレンブルグ徴候

こんにちは、広報担当の石井(部門責任者の石井さん被せていただいてありがとうございます。笑)です。

 

今日は先日の症例報告会の中でピックアップされたデュシャンヌ徴候及び、トレンデレンブルグ徴候について少しお話しできればと思います。

 

臨床の中で、股関節周囲の骨折や変形性股関節症、その他の疾患でもデュシャンヌ徴候やトレンデレンブルグ徴候には本当に頻回に出会います。

各徴候の原因は中殿筋の機能不全であるといわれることが多いと思います。しかし、中殿筋の筋力増強練習を行ってもパフォーマンスの改善がみられないことも多分にありますね。

 

そんな時、私はコアスタビリティや仙腸関節、臼蓋の被覆率、膝関節や足関節の状態、神経系の関与等を考えつつ、歩行や片脚立位の動作・姿勢分析を行っていますが、やはり中殿筋の弱化がみられる方は多く、中殿筋力の正確な評価は上記の徴候をとらえるにあたって非常に重要だと感じています。

 

特に股関節疾患においては、中殿筋の機能改善に限界がみられる場合もあり、理学療法学 第19巻 第1号(1992年)に掲載されている坂本年将らの「股関節疾患患者の前額面で観察される跛行の原因について」で跛行と外転筋力、X線画像についてこのように紹介されています。

 

これは、34例の股関節疾患患者の歩行とX線画像等の評価から前額面上で観察される跛行の原因として考えられる疼痛と脚長差以外の因子について検討したものです。

結論としては外転筋力に加え大腿骨頭の上外方移動の程度が跛行に大きな影響を与える因子として考えられると述べています。

 

大腿骨頭の上外方化が起これば、中殿筋のレバーアームは減少し、当然出力は発揮されにくくなりますね。そのような状態の中殿筋にトレーニングを行ってもなかなか効果は得られないでしょう。

X線画像の計測値としてはHLI(骨頭外方化指数)、HVI(骨頭上方化指数)というそうです。

 

X線画像の読影から運動療法を考え、歩行の予後・歩行形態を予測し、患者様のライフスタイルを提案していくことは難しいことですが、非常に重要なことですね。

 

今回の更新は以上になります。拙い文章ですが最後までお読みいただきありがとうございました。

IMSグループ就職説明会

26日、IMSグループ就職説明会(品川)に行ってきました、リクルート担当の名越です。

IMSグループの各病院が集まる中、採用試験情報や各職種のミニ講義を聞くことができるのがこの説明会の特徴です。

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学生さんの相談にも乗りつつ、当院のアピールをさせてもらうのですが、

当院のアピールポイントとは何か…。

 

教育面では

・ラダー制度による能力評価と課題の指針

・プリセプター制度やOJT(on job training)による臨床場面での教育

・経験年数に応じた定期勉強会の実施

・SIG(special interest group)による能動的な学習と活動

・大学で推奨されている学習方法(PBL、OSCE)の新人教育への導入

 

福利厚生や職場の雰囲気では

・希望が反映されやすいシフト調整

・残業ゼロを推奨される雰囲気

・妊産婦の支援制度の充実

・若手が多く、話しやすく飲み会の多いスタッフ交流(笑)

 

とにかくたくさんアピールポイントがあり、20分あっても話し足りないと思う程です。

病院見学に来て下さればいくらでもお話ししますね。

その他、ぜひホームページをご参照下さい。我々の考える回復期病院が詰まっています。

 

IMS Itabashi Rehabilitation Hospital Physiotherapy Team

http://itareha-pt.jimdo.com/

 

開設より7年の経過でいくつもの魅力を作り出してきた先人の方々に感謝致します。

 

またの機会に一つ一つ紹介していきたいと思います。

クリニカルラダー制度

はじめまして、部門責任者の石井です(ブログ担当の石井ではないですw)。

 

本日は就職説明会で東北に行ってきました。学生は皆いきいきとしており、真剣に説明を聞き積極的に質問をしてくれました。短い時間だしなるべく一方的な説明にならないよう心がけコミュニケーションを多く取るよう配慮しました。またお忙しい中、準備をしていただいた教員の方々に心より感謝申し上げます。とても良い環境で学生と話をすることができました。ありがとうございます。

 

就職説明会にはここ数年行き続けていますが、やはりほとんどの学生が気にしているのが「教育システム」のようです。なので少しだけ当院の教育システムを紹介しようと思います。

 

皆さんはクリニカルラダーという言葉をご存知でしょうか。1970〜1980年代にかけて、Patricia Bennerが哲学理論を基に開発した、看護師の臨床技能の習熟段階を示すものです。このクリニカルラダーは、数学者・システム分析学者のStuart Dreyfusと哲学者のHubert Dreyfusという兄弟がおこなった、チェスプレイヤーやパイロットを対象にした研究を参考にしています。すなわち、緊急事態や想定外の事象に対して即座に的確な判断ができるよう、段階的に成長を促すものです。

 

看護の領域では多く用いられているシステムではあるが、リハビリ業界ではクリニカルラダーの導入は我々の知り得る限り少ない。そこでリハビリ科の教育委員会で当院独自のクリニカルラダーを作成し、職員の目標設定および目標管理をおこなった。結果、職員は自分の目標を定量的に設定するようになり、ひとりひとりの目標達成が明確になった(本成果は「回復期リハビリテーション病棟協会 第27回全国研究大会 in沖縄」にて報告)。そしてそれは、経験に基づいて緊急事態に即座に対応できる能力を身につけるための、段階的な成長の一助となるはずです。このように当院では職種専門性に特化した研修制度のほか、一人前のセラピストあるいは管理者として成長できるよう、クリニカルラダー制度を設けています。

 

また機会があれば、当院の取り組みを紹介していきたいと思います。そして明日は都内で就職説明会です。一人でも多くの学生にこのような当院の特徴を伝えられればと思います。

新人症例報告会 8月10日

みなさんこんにちは。広報担当の石井です。

 

今回は8月10日に行われた症例報告会についてです。

8月の10日と24日は本年度の新人の初めての症例報告会です。

私が2年前にやった際は緊張でお昼ごはんがのどを通らなかったことを覚えています。笑

そのぐらい新人にとっては緊張するイベントですね。

 

今日は8月10日の発表の一つについて簡単に報告します。

発表タイトルは「大腿骨転子部骨折患者に対して、痛みの除去に着目して~独歩の獲得に向けて~」というものです。

 

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独歩にて著明なデュシャンヌ徴候と疼痛を認める患者に対して、画像所見等評価から原因を考察し、疼痛除去と独歩獲得を目指した症例です。

 

質疑応答では、画像所見から考えられる中殿筋の機能予後やデュシャンヌ徴候に関するディスカッションが盛り上がりました。

 

新人さんは二人ともお疲れ様でした。次の症例報告も楽しみにしています。