イムス板橋リハビリテーション病院 理学療法BLOG

東京都板橋区のイムス板橋リハビリテーション病院 理学療法部門の活動報告BLOGです。勉強会や学会参加報告など当院の理学療法部門の魅力をお伝えできればと思います。気になった方はこちらのHPにもアクセスしてみてください。 HP: http://itareha-pt.jimdo.com/ 休日勉強会グループItareha Study GroupのTwitterものぞいてみてください。Twitter : https://twitter.com/ItarehaStudy?lang=ja

心臓リハビリテーション連携の会

初投稿になります。心臓リハビリテーション部門の山本です。

 

当院(板リハ)は心臓リハビリテーションを行っているリハ病院です。日本ではなかなかなく全国でも8%程度のようです。

 

回リハでの心リハの特徴は

・重症

・虚弱

・廃用

・合併症

・高齢

認知症

といったところでしょうか。これの中のいくつかが当てはまることが多いです。

もちろん人工呼吸器等があるわけではないので重症例にも限界はあります。

また、介護保険分野につなげることも多くあります。

そこで重要なのが連携です。

 

ようやく本題に入りますが、板橋区では帝京大学付属病院を中心として「心臓リハビリテーション連携の会」という勉強会を半年に1回開催しています。そこでの写真がこちらです。

 

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160名程度が集まる多職種の勉強会です。

 

そこで当院のPTの清水君が症例発表をしてきました。心臓移植後という回復期ではまず見ることのない症例ということもあり、様々なディスカッションができました。

また、浮間中央病院の症例や帝京の管理栄養士の先生が「入院から始める再発予防食事プログラム」と題して勉強会を行ってくれました。

 

この会は多施設(帝京・板リハ・上尾中央等)の多職種(医師・理学療法士・看護師等)が集まる勉強会なのでとてもためになります。明日から使える知識がよく出てきます。これからも連携を密に行い、患者さんのためになる知識を増やして行ければと思います。

 

また、これは私はSHA(Severe Heart Action)という重症心疾患のリハの勉強会を定期的に行っています。次回は3回目で「在宅で心疾患を診る」がテーマです。もし興味あれば連絡してください。案内を送ります。

 

こんな感じで細々と心リハやってます。初投稿なので固めにしましたが、次に投稿するときはもう少し濃い内容を話します。ブログ書くのって難しいですね。

 

山本智史

 

 

 

第2回 Itareha Study Group

こんばんは、責任者の石井です。先日、動作・行動SIGの報告をしましたが、今回は「Itareha Study Group」の活動報告です。

 

完全に趣味の範疇ですが、今年度より休みの日に当院の会議室を使用して勉強会をおこなっています(休みの日なので「施設利用届け」という書類を提出しておこなっていますw)。まず、休みにも関わらず参加しているメンバー全員に敬意を表します。

当院PTリーダーの新川、他施設の所属ですが同じように熱意を持って日々勉強に取り組んでいる本多、そして私の3人でこの勉強会を運営しています(日程や詳細は「板リハPTホームページ」のTwitterリンクにアップしています)。

 

本日、第2回 Itareha Study Group勉強会がおこなわれました。テーマは肩関節です。

 

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5時間という長丁場を「肩関節の解剖学と触診」、「肩関節のスポーツ障害」、「夜間痛のメカニズムと運動療法」という3部でおこないました。講師をした我々はリハビリ科の研修などもおこなっています。しかし、この勉強会の参加者は休みを取って来ているので、こちらとしても生半可な気持ちではできません。我々3人も汗をかきながら、拙い説明ですが一生懸命伝えることに専念しました。何より、エビデンスに基づいて説明することを心掛けました。

 

次回は11月20日(日)を予定しています。内容は確定していませんが、「脳神経系」「運動生理学」「バランス」などをキーワードにしようと3人で考えています。

 

そして10月3日は「論文抄読会」があります。Logical thinkingやCritical thinking、プレゼンテーション能力、英語力を養えるようなスタイルでやろうと企てているのでそちらも楽しみです。また報告できればと思います。失礼しました。

 

石井達也

症例報告会 9月7日

みなさんお久しぶりです。広報担当の石井です。

今日は9月7日水曜日の症例報告会の報告をしたいと思います。

 

症例報告は3件行われました。今回はそのうちの1つ「急性腎障害-疼痛への関わり-」というタイトルの発表を紹介していきたいと思います。

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疼痛の訴えが各所にみられ、病前は自宅に籠りがちだった急性腎障害後廃用症候群の症例に対し、慢性化した疼痛に対する運動療法認知行動療法から歩行の獲得・活動量の増加を図ったという報告でした。

 

慢性化した疼痛には心因性の要素も多分にみられたようですが、疼痛を精査していき改善可能な器質的疼痛に対し的確に介入していくことで認知行動療法の効果も大きくなったようです。

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質疑応答では、疼痛の変化に伴う各姿勢や動作の変化についてのディスカッションで盛り上がりました。

また、先日の動作・行動SIGで行われたFrailtyの勉強会でMental Frailtyという言葉を最近知った私としては改めて回復期リハビリテーションにおけるMental面への介入の重要性を確認できました。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

板リハPT部門の詳細はこちらのHPにて紹介しています。

中途採用の募集も行っていますので興味がありましたら電話・見学等お待ちしています。

板リハ 理学療法HP

動作・行動 SIG

本日も動作・行動SIGは活動しました。実技を中心におこなってきましたが、今日は講義です。内容は「Frailty」です。

 

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今日の講師は3年目の小栢(おがや)です。彼は地域貢献委員会が主催する板橋区の住民を対象とした「出前体操教室」などもおこなっています。行動変容、予防理学療法などを得意分野とし、昨年札幌で開催された第1回 日本予防理学療法学会において「精神疾患患者に対する活動量計を用いた理学療法介入」を発表しています。

 

Frailtyとは、衰弱、筋力低下、活動性低下、認知機能低下、精神活動低下など健康障害を起こしやすい脆弱な状態のことを指します。こういう状態に陥らないよう、定期的な運動が必要です。また、その運動の量や質が大切であるということを再認識しました。私たちは「自立」を目指すだけでなく、「自律」を目指す必要があるのです。そしてそのためには、運動の効果判定をするための適切な評価が重要ですね。

 

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Frailtyとは何か、みんな少しずつですが理解をしていたようです。講義後も積極的に質問が出ていたので、聞いていた自分も満足です。楽しかったです。

 

次回も小栢が「行動変容」に関して講義をします。その前に、足部の触診があったでしょうか。自分の「立位姿勢の制御機構」もあります。また、こちらで報告できればと思います。

 

石井達也

8月24日 新人症例報告会

みなさんこんにちは。広報担当の小栢です。

「小栢」で「おがや」と読みます。今後とも宜しくお願いします。

 

 

報告が遅くなりましが、以前にも少しお知らせしていたように、8月24日に新人の症例報告会が実施されました。

 

PT部門では、水曜日に隔週で症例報告会をおこなっています。

先輩や後輩などの症例報告を聞き、質疑応答もできるので、いつも有意義なディスカッションができています。(ここでは部門責任者の石井さんから、鋭い質問が出されます。私は毎回、それを聞くのを楽しみにしています。笑)

 

 

今回の症例報告会では、私がプリセプターを務めている新人の発表もおこないました。

そんな今回の新人さんの症例報告会の内容を少し報告させて頂きます。

プリセプター制度とは、プリセプター(先輩)がプリセプティ(新人)をマンツーマンで教育・指導することをいいます。プリセプターには、おお むね3年目くらいの者がなることが多いです。新人に、理学療法士としての介入的なアドバイスだけでなく、関連業務等についても教育します。1年間かけて、プリセプティはプリセプターから理学療法士としての仕事(業務)を教わることになります。

 

 

発表のタイトルは

「インソールを処方し再調整が必要となった症例~インソール処方後の二次障害に対して~」

というものです。

 

インソールを処方したものの、経過の中で魚の目による疼痛を認め活動制限が生じた症例に対し、体重心や全身的なアライメントに着目し、インソールの再調整を行った報告でした。

 

 

インソールは主に、身体各部位に生じているメカニカルストレスを軽減する目的で用いるものとされています。

その処方には足部のみではなく、歩行動作などにおいて全身的なアライメントに注目して細かい評価が必要となります。

 

今回は新人さんということもあり、評価にはかなり苦戦していました。

私自身も、しっかり指導していれば、、、

と、反省しなくてはいけないところです。

 

 

 

インソールに関していえば、当院では、PTのホームページでも本当に小さくしか記載されていませんが、今後インソール外来を開設する予定です。

 

 

ぜひ、興味がありましたらご連絡を頂ければと思います。

動作・行動 SIG

どうも、部門責任者のほうです。

私は動作・行動のSIGリーダーをしています。本日は足部の触診をおこないました。といっても触診に関しては後輩に指導者を任せているので見ているだけですw はじめはランドマークを各自で確認し、その後、靭帯を中心に触診を進めます。

 

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はい…まるで熱海駅前の足湯状態です…。

 

指導をしているのは5年目の田中です。彼女は1年目の頃から整形外科リハビリテーション学会に所属し、定例会や全国研修会に積極的に参加して触診を勉強しています。なので彼女の成長、そしてその技術を後輩に伝えるため触診担当をしています。教育とは「Learning by Teaching」です。

 

足部に限ったことではありませんが、触診はできるようになったら終わりではありません。疼痛を誘発する原因は何か、臥位から荷重位になった際にアライメントはどう変化するのかなど、臨床所見とマッチングさせることが大切です。触ることに意義があるのではなく、問題を抽出するための一手段と捉えるべきだと思っています。

 

本日の参加人数は普段と比べて少なかったのですが、参加者は有意義な時間を過ごせたのではないでしょうか。9月は動作・行動チームのSIG月間かと言わんばかりに勉強会が入ってきそうです。広報担当の小栢(おがや)もFrailtyに関する講義をしてくれます。

 

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次回は下腿・足部の筋の触診です。田中にはまだまだがんばってもらいます!

デュシャンヌ徴候・トレンデレンブルグ徴候

こんにちは、広報担当の石井(部門責任者の石井さん被せていただいてありがとうございます。笑)です。

 

今日は先日の症例報告会の中でピックアップされたデュシャンヌ徴候及び、トレンデレンブルグ徴候について少しお話しできればと思います。

 

臨床の中で、股関節周囲の骨折や変形性股関節症、その他の疾患でもデュシャンヌ徴候やトレンデレンブルグ徴候には本当に頻回に出会います。

各徴候の原因は中殿筋の機能不全であるといわれることが多いと思います。しかし、中殿筋の筋力増強練習を行ってもパフォーマンスの改善がみられないことも多分にありますね。

 

そんな時、私はコアスタビリティや仙腸関節、臼蓋の被覆率、膝関節や足関節の状態、神経系の関与等を考えつつ、歩行や片脚立位の動作・姿勢分析を行っていますが、やはり中殿筋の弱化がみられる方は多く、中殿筋力の正確な評価は上記の徴候をとらえるにあたって非常に重要だと感じています。

 

特に股関節疾患においては、中殿筋の機能改善に限界がみられる場合もあり、理学療法学 第19巻 第1号(1992年)に掲載されている坂本年将らの「股関節疾患患者の前額面で観察される跛行の原因について」で跛行と外転筋力、X線画像についてこのように紹介されています。

 

これは、34例の股関節疾患患者の歩行とX線画像等の評価から前額面上で観察される跛行の原因として考えられる疼痛と脚長差以外の因子について検討したものです。

結論としては外転筋力に加え大腿骨頭の上外方移動の程度が跛行に大きな影響を与える因子として考えられると述べています。

 

大腿骨頭の上外方化が起これば、中殿筋のレバーアームは減少し、当然出力は発揮されにくくなりますね。そのような状態の中殿筋にトレーニングを行ってもなかなか効果は得られないでしょう。

X線画像の計測値としてはHLI(骨頭外方化指数)、HVI(骨頭上方化指数)というそうです。

 

X線画像の読影から運動療法を考え、歩行の予後・歩行形態を予測し、患者様のライフスタイルを提案していくことは難しいことですが、非常に重要なことですね。

 

今回の更新は以上になります。拙い文章ですが最後までお読みいただきありがとうございました。